NEWLOCAL社員インタビュー Vol.7 井上公平
- 共有用 NEWLOCAL
- 11月17日
- 読了時間: 13分
更新日:11月23日

「地域からハッピーシナリオを共に」をミッションに掲げるまちづくりスタートアップのNEWLOCAL。そこにはどのような人たちが集まり、どんな想いで地域のハッピーシナリオを描いていくのでしょうか?
7人目のインタビューのお相手は2025年2月よりNEWLOCALにジョインした井上公平さん。
前職の中川政七商店では店舗開発やイベントのプロジェクトリーダー、地域の経営者の人材育成などを務め、その幅広いバックグラウンドから、NEWLOCALでは京都丹後エリアの事業責任者として活躍しています。
ジョインと同時に、自身も京都府の宮津市に住まいを構え、元々住んでいた奈良県の東吉野村との二拠点生活を開始。
今回はそんな井上さんに、”文化を軸とした地域への想いや将来のビジョン”についてお話しをお伺いしました。
<井上 公平>
関西学院大学卒業後、アナログレコード店勤務を経て、2010年に中川政七商店に入社。直営店舗のスーパーバイザー、店舗開発を歴任し、全国の商業施設における直営店舗の運営・開発に携わる。2016年からは地域活性事業にも取り組み、工芸を軸としたイベントの企画・運営や奈良県でのまちづくり事業を推進。特に、商業施設開発、イベントディレクション、ブランディングの分野で経験を積む。趣味は酒と音楽。ジャズやクラブミュージックが好きで、音楽を通じた空間づくりにも関心がある。目次
・最初はほとんど興味がなかった地方や工芸のフィールド
・地域で挑む人の“かっこよさ”が、働く理由を変えた
・工芸や教育を通したまちづくりの先に見えた、場づくりへの確かな想い
・伴走ではなく共にリスクを背負う、NEWLOCALという選択
・都市から文化を輸入するだけではない。土地に根づくカルチャーの育て方
・なぜ新卒を採用するのか。地域に“働く希望”をつくるためのこれから
・自分の住む街を良くすることが人生一番の楽しみーー「趣味は酒と音楽」とのことですが、詳しくお伺いしてもいいですか?
音楽は、学生時代からずっと好きなんです。ライブにもよく行っていて、大学ではジャズ研に入っていました。
ファーストキャリアも渋谷の『ダンスミュージックレコード』というアナログレコード屋なので、音楽は自分の人生の中でもすごく大きなパートを占めていますね。
お酒は、もう純粋な趣味です。『吉田類の酒場放浪記』みたいに、場末をふらっと飲み歩くのが好きで。(笑)なので、そういった“お酒と音楽が集う空間”がすごく好きなんですよ。
あと、今は奈良県にある東吉野村と京都の宮津の二拠点で暮らしているんですけど、東吉野の方は結構過疎が進んでいる田舎ではあるものの、家具職人やデザイナーみたいな方が何人もいて、田舎だけど文化度の高い暮らしをしている人が多いんです。そういう環境がすごく良いなと思うので、先程言った自分の好きな音楽やお酒と合わせて、田舎だけど文化的な暮らしとか、場づくりをしていきたい想いもある、という感じですね。


最初はほとんど興味がなかった地方や工芸のフィールド
ーー ありがとうございます。中川政七商店の時は店舗立ち上げやプロジェクトリーダーを務められていたようですが、元々地域に携わるモチベーションの根源のようなものはどこにあったのでしょうか?
実は中川政七商店に入社した当初は、工芸とか地方にはほぼ興味がなかったんですよ。雑貨は好きでしたけどね。
大学の就職活動の時に、ちょうど初めて中川政七商店が新卒採用を開始したようで、内容を見てみると、”地方の工芸の会社で、これから新しいことをやっていく” みたいなことが書いてあったので、面白そうと思って応募しました。
そこで内定はいただいたんですけど、当時は音楽への興味の方が強くて、結局先程のレコード屋に就職したんですよ。
そこで2年間働いてみて、次のキャリアを考えていたときに、また中川政七商店が中途採用を出していて。見てみると、その2年間の間に新ブランドが立ち上がったり、新規出店が加速していたりと新しい動きがたくさんあったんです。
それで、面白そうだなと思い、スタートアップに入るような感覚で入社しました。
その時は、“文化的なことに関わりたい”という自分のコアはあったのですが、どちらかというと“これから伸びていく会社だからこそ、若い年代でも面白い仕事や普通の会社では経験できないところに携われるのでは”、という気持ちが強かったです。

なので、最初は地方や工芸への興味はそんなになかったんですけど、仕事を通じて職人さんや産地の方々に出会う中で、だんだん惹かれていくようになりました。特に大きな転機になったのは、会社の創業300周年プロジェクトに関わったときですね。
元々キャリアの前半では店舗開発の仕事をしていたので、ものづくりをしている地方の職人さんに関わる機会は少なかったのですが、このイベントのプロジェクトリーダーを任されてから、本当にがっつり産地に入り込んで職人さんや地域のデザイナーの方たちと深くお付き合いをしていくようになりました。
彼らはみんな、本当に自分の人生をかけて産地を守っていて。産業としては衰退局面にあっても、なんとかしていこうと挑み続けているんですよ。
その姿勢や生き方にすごく感化されて、地方って面白いな、地域リーダーってすごいな、と思うようになりました。
僕自身は、大阪府のニュータウン育ちだったので、地元には伝統や祭りだったり、ものづくりの文化がなかったんですよ。だからこそ、仕事で出会った職人さんたちの姿には一番大きく影響されましたね。
地域で挑む人の“かっこよさ”が、働く理由を変えた
ーーそこから自分発信で地域のことを広めていきたいと思ったきっかけはありますか?
そうですね、NEWLOCALでもそうですけど、やっぱり僕の一番の軸は“人”ですかね。当時プロジェクトで携わっていた鯖江だと、漆器の工房の社長さんや僕と同い年のデザイナーさんとかが、“産地を背負って、自分の人生を背負ってやっている姿”がすごくかっこいいと思ったんですよね。
僕自身は、その当時は“特定の地域で何かをやりたい”というよりも、“この人を応援したい”“この人の力になりたい”という気持ちの方が強くて。なので、会社員として会社の仕事をやっているというよりかは、”本当に彼らのために何か役に立ちたい、そのために仕事をどう使うか”、みたいな思考になり始めていました。
これはやはり自分のキャリアの中でも大きな出来事だったかなと思います。

工芸や教育を通したまちづくりの先に見えた、場づくりへの確かな想い
ーー 工芸を起点とした地域への関心から、まちづくりに視点が移ったタイミングなどはあるのでしょうか?
実はそのイベントの時点から、会社としては“工芸産地のまちづくりをどうするか”という位置づけで進めていたので、その頃からすでにまちづくりの視点はあったんですよ。
その後も、今度は中川政七商店の創業地の奈良でまちづくりのプロジェクトが立ち上がり、僕がリーダーを任されたんですけど、プロジェクトのメインの内容としてはどちらかというと教育事業や経営支援のような、“地域企業の経営者のレベルを上げていく”ことに力を入れているものでした。
なので、会社としてはこういった教育も含めたまちづくりを行ってはいたんですけど、僕自身はもともとキャリアの中で店舗開発をやってきていたこともありますし、音楽やお酒に関わる空間や場づくりが好きというのもあったので、これまでのキャリアや自分自身の志向性を考えた時に、もっと“場づくり”を極めていきたいという気持ちが強くなっていったんですよね。
その結果、NEWLOCALに辿り着いたという感じです。
伴走ではなく共にリスクを背負う、NEWLOCALという選択
ーー まちづくりや場づくりをしている会社は他にもある中でNEWLOCALを選ばれた理由はなんですか?
一つはコンサルじゃなくて、自分たちもリスクを背負って事業をやっている点が大きいですね。
まちづくりの業界では伴走支援に特化したコンサルの会社が多い印象なんですけど、その中でNEWLOCALは地域リーダーと一連托生なのがすごくいいなと思いました。
あとは、イベントを経て自分が感じていたことがNEWLOCALの考え方と近いとも感じました。
地域が生き残るためには地域リーダーが必要なんですけど、地域リーダーには足りないものも沢山あるんです。まちを良くしたいという想いがあったり、ものづくりはすごく上手でも、それ以外の営業やエクセルを触ることすらも難しい人がいることがすごくもったいないと思っていました。
だけど、そこに自分のようなキャリアの人間が入ったり、地域と外を掛け合わせることで劇的に加速するということを身を持って感じていたので、そこの感性や想いがまさにNEWLOCALと近いなと。
他にも、将来的には住まいのある奈良県の東吉野村で自分でも事業をやってみたいと思っているので、宿泊業などの様々な事業を展開しているNEWLOCALで働くのは勉強にもなると思いました。

ーー 冒頭でお伺いした、”田舎だけど文化的な暮らしや場づくりをしていきたい”、という目標もNEWLOCALの仕事の中で実現していきたいと思っているものですか?
そうですね。ただ具体的にこれがやりたい、とかがあるわけではなくてまだ探求中なんですけど、地域の文化度をあげていくみたいなことはできたらいいなと思います。
それこそ野沢温泉にオープンしたGURUGURUみたいなミュージックバーを作るのかもしれないし、自分がやっていた工芸のイベントのようなことを各地域でやったりだとか。
やっぱり地方から若い人が出ていく理由の一つとしては、東京への憧れがあると思います。
都市の生活は華やかで文化的で楽しいけど、地方はそうじゃない、という二項対立のイメージを持たれているんじゃないですかね。
でも本当はそうじゃなくて、そういう文化的な場所は自分たちが動けば作れるんだ、というのはいろんな地域に関わってみて改めて思います。

都市から文化を輸入するだけではない。土地に根づくカルチャーの育て方
ーー なるほど。そういった、地域で文化的な場づくりをしていく中で、東京から人やモノ、情報といった文化を取り入れる場面も多くあると思うのですが、そうした“都市との関わり”についてはどのようにお考えですか?
東京から文化を持ってくるのは別に悪いことではないと思っているんですけど、地方を見て感じるのは、その場所にあった文化の作り方がある、ということですかね。
例えば、僕が関わった岩手の盛岡は地方都市なんですけど、レコード屋と本屋と喫茶店がすごく多いんですよ。それで盛岡の面白いところが、音楽好きな高校生たちは、ギターを始めて軽音部に入るみたいな一般的なルートではなくて、DJになるらしいんです。理由を聞いたら、東京まで新幹線で2時間くらいという地理的な近さのおかげで昔から文化的な土壌があって、クラブなども残っているらしいんですよね。そこに東京から有名なDJを呼んで定期的にパーティーをやったりもしていて。都市と地方がいいバランスでクロスオーバーしていて、そこから独自の音楽カルチャーが育っているみたいでした。
そういう状況って、単に東京の文化を“持ってくる”のではなくて、盛岡という土地にある喫茶店やレコード文化みたいな土壌とうまく結びついて生まれているんですよ。
僕が住んでいる東吉野村でも、自然の多い環境や物件の安さに惹かれてデザイナーや作り手が移住してきたりしているので、そういった文化的な素地を見つけて、必要に応じて都市的な要素と掛け合わせて場づくりや環境づくりはできると思っています。それに、その土地の歴史や暮らしに紐付ける形でやっていく方が、結果として面白い場ができるんじゃないかなと思いますね。
ーー すごく興味深いお話です。井上さんが最初に丹後を訪れた時には、この地域をどう盛り上げていこう、といったビジョンは浮かびましたか?
正直、その時点ではまだ模索中でした。
ただ、丹後に関しては、NEWLOCALの他の拠点に比べると観光地として人の流れはあるものの、どちらかというとオールドスタイルの観光スポットが多くて。 自分がお客さんとして訪れたときに、「積極的に行きたい」と思える場所がどれだけあるかと考えると、正直そうでもないなと感じたんです。 だからこそ、そこにNEWLOCALとしての介在価値があると感じましたし、京都丹後企画として取り組む意味や可能性をすごく感じましたね。

ーー 東京に拠点のあるNEWLOCALが地域で事業を展開するうえで、どのように地域の方々と信頼関係を築いていくことが大切だと感じていますか?
ちゃんと成果を出す、というのが一番わかりやすい信頼関係の築き方だなと思うので、今のフェーズではそこに注力するのが大切かなと思っています。
あとは人として仲良くすることもそうですけど、自分の場合だと、すでにその地域に住んで二拠点生活をしているので、それも信頼関係を築くうえで重要なポイントかなと思いますね。
なぜ新卒を採用するのか。地域に“働く希望”をつくるためのこれから
ーー ありがとうございます。NEWLOCALでは新卒や第二新卒の採用にも力を入れているとのことですが、NEWLOCALのようなスタートアップで、スキルのある方の中途採用ではなく、新卒の方を採用する理由はどういったところにありますか?
そうですね。やはりまちづくりは長期的に考えなくてはいけないので、僕や代表の遼さんのように三十代後半の世代だけで頑張っても、後が続かない。継続性がないんですよ。だからこそ、育成はしていかなくてはいけないし、若い人を採用すること自体にも大きな意味があると思っています。
私たちは、“地域で場づくりをして、そこで雇用を生むこと”が、地域が良くなるために一番大事なことだと考えています。なので、採用活動を通して、都市部の若い人たちに「地域にもクリエイティブな仕事がある」ということを伝えたり、その地域に住む若い人たちに「働く場所があるんだ」ということを対外的に示していくことは、地域が変わっていくための希望にもなると思うんですよ。
やはり働く場所やおもしろい仕事がないから、若い人が地域から離れていってしまうという側面もあると思います。そういった中で、NEWLOCALが若い人でも働ける場をつくって、実際に雇用するという形で体現していくことは、地域にとって本当に象徴的な出来事になると思っています。
ーー 地域をフィールドとするNEWLOCALだからこそ、活躍できると思う人の特徴はありますか?
今NEWLOCALで働いてる人たちを見ると、NEWLOCALとしてのビジョンはありつつ、個人のビジョンがある人だと活躍できるんじゃないかなと思います。
ローカルへの興味はもちろんですけど、自分のビジョンや将来やりたいことがある状態の人にとっては、それらの実現に向けてすごく解像度高く学べる環境があるので。
将来宿をやりたいメンバーも社内にいますけど、NEWLOCALなら一年の間で何案件もの宿の立ち上げをしていくので、自分の将来のプロジェクトに活かせるイメージが必ずつくと思います。

自分の住む街を良くすることが人生一番の楽しみ
ーー 井上さんご自身も、場づくりを極めたいという想いで入社されたとのことでしたが、場づくりの経験を積んだ先に実現したい、将来の具体的なビジョンなどがあればお伺いしたいです。
奈良企画を立ち上げたいと思っています。
前職でできた奈良の人たちとの繋がりもあるし、今自分が住んでいる地域もすごく面白いんですけど、NEWLOCAL的なスキームが足りていないと感じているので、組めたらいいなと。
奈良でいろんな事業をやっている人も知り合いに沢山いるので、彼らと一緒に自分のフィールドで何かできたら、自分の住む街自体が良くなっていきますからね。
それが一番人生を楽しくすると思ってます。



